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微分積分は高校数学の集大成でもあり、また理工系や医歯薬系に進学する上で主戦場です。

 

難しいと感じている方も多く、数学が苦手だから理工系や医歯薬系から志望先を変える、受験の選択科目を数学から地歴や公民にする高校生もいらっしゃいます。

 

微分のイメージは「写真」や「人間ドッグのCTスキャン」のように「ごく短い単位xにおけるyの変化量」です。写真は時間の単位でその一瞬を切り取りますし、CTスキャンは人間の体を輪切りにスライスした極薄い画像です。

 

微分の「微」はわずか、ほんの少し、という意味です。「xのほんのちょっとの区間でどうなってるの?」が微分です。「その瞬間のf(x)はどうなってる?」ということです。

厳密な数学としての微分ではなく、とりあえず勉強レベルの微分を理解する上で「関数f(x)」と「関数のグラフ」をもう一度おさらいします。

  • 関数 y = f(x) とは xが定まる → yが定まる
     

  • 関数 y = f(x)のグラフはf(x)がどんな種類の関数だとしても、見やすい(=表しやすい)ようにy軸x軸の平面に描いている(= xは横軸、yは縦軸 )

  • y軸x軸の平面に描くためにy軸の値:1次元 で表している(本来 f(x)の次元は異なるが1次元で書き直している)

↓のようにyの値を[ y軸の上下 = 1次元 ]で表しています。 微分をイメージしやすいようにy=f(x)の値を[ y軸の上下 = 1次元 ]で描いています。

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微分 = 任意の点における関数f(x)の変化 が本来の定義ですが、微分を理解する前段階として、関数f(x)の傾き(=グラフの傾き)を整理します。

 

任意の区間における[ グラフの傾き= yの変化率(xの変化に対して) ]となります。
 

  • (繰り返しますが)y軸x軸の平面(=yをy軸の1次元)で表しているので、f(x)がどんな関数だとしても、「グラフの傾き=yの変化率」を求めることで表すことができる

区間[ a, b ]から徐々に狭めていき [ a, a+ほんの少し ] にしていきます。数学をイメージしやすいようにy=f(x)の値を[ y軸の上下 = 1次元 ]で描いた場合には、[ 傾き=任意区画[ a, b ]におけるグラフの傾き ] となるわけです。

区間とはグラフの[ a, b ]だけでなく、[ 東京 → 大阪 への移動にかかった3時間 ]でも良いですし、区切れるものならば時間でも角度でも位置でも良いわけです。区間において「均等にならすとこの変化量だった(=傾き)」になります。

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微分 = 任意の点における関数f(x)の変化 にするために[ 任意の区間 ] を狭めていくと → [ 任意の点 ]となります。試しに[ x = 1 ]のところで求めると、↓のようです(どのように求めるかは後述です)

区間[ a, b ]から徐々に狭めていき [ a, a+ほんの少し ] にしていきます。数学
をイメージしやすいようにy=f(x)の値を[ y軸の上下 = 1次元 ]で描いた場合には、[ 微分=任意点aにおけるグラフの傾き ] となるわけです。

​先ほどの[ 東京 → 大阪 への移動にかかった3時間 ]であれば、車でも新幹線でもスピードは一定だったわけではなく、ブレーキや停車があって多少の上下動があります。じゃあ、「その瞬間におけるスピード(移動の変化量)」だったの?を求めるのが”微分”です。

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[ 微分する = 関数f(x)の導関数を求める ]ですが導関数は元の関数から[ − 1次元 ]されています。グラフでは[微分 = 接線の傾きを求める ]でしたが、グラフではない形でイメージすることもできます。

f(x):n次関数 を[x]で微分 → 導関数:[ x ] の (n-1)次関数 となります。

↓は3次関数を微分を理解するためのイメージです(数学の厳密さではなく、理解のため図にするとこんなかんじ程度に活用ください)。

3次関数(yは立体です)を例に微分すると(-1)次元されて導関数f'(x)は2次関数(面積)です。赤や緑の断面積が[ x = e ] [ x = f ]における微分した値となります。

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f(x):[ x ]のn次関数 を微分 → 導関数: [ x ]の(n-1)次関数 となりますので2次関数(面積)微分すると(-1)次元されて導関数f'(x)は1次関数(線分の長さ、値、高さ)です。青や紫が微分した値となります。

↓は2次関数を微分を理解するためのイメージです(こちらも数学の厳密さではなく、理解のため図にするとこんなかんじ程度に活用ください)。

 

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f(x):n次関数 を微分 → 導関数: (n-1)次関数 

​↓以下のようになります。

(この導関数の定義に倣う理解が入試においても大事です)

 

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f(x):n次関数 を微分 → 導関数: (n-1)次関数についてさらに掘り下げていきます。 

​微分の基本ですが「なぜこのようになるのか」を↓で説明いたします。 [ h → 0 ]のときに残る項を意識すると理解しやすいです。

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f(x):n次関数 を微分 → 導関数: (n-1)次関数 さらに接線の方程式を求めます。

接線は「その瞬間におけるペースでそのまま継続したら、と課程しt未来」を表しています。

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関数 [ y = f(x) ] 接線の方程式を求めるには

1.  f(x) を微分して導関数f '(x) を求める
2. f'(a ) ← 接線の傾き
3. 点 (a, f(a))
4. y - f(a) = f'(a)( x - a)

 

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導関数f '(x) = 0 となる点で[ + → − ]となる点を「極大値」、[ − → + ]となる点を「極小値」と呼びます。

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微分のメリットに「グラフの形を知る上で大切になる”上向き””下向き”」が分かることがあります。

f(x) を微分して導関数f '(x) を求めるとyが増加するのか、それとも減少するのかを調べることができます。導関数f '(x) > 0 となる区間ではグラフは右上がり、導関数f '(x) <
 0 となる区間ではグラフは右下がり となります。

「上向き → 下向き」やその反対がわかれば区間[ a, b ]における最大値や最小値を求める上で道標となります。

 

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 f(x) を微分して導関数f '(x) を求めることは「結局何を意味しているのか?」と言えば、とりあえず高校数学レベルにおいては
 

  • 「(グラフ上では)f(x)の各xにおける向き(傾き)(←f(x)の値ではなく、f(x)の向き傾き)」を算出

  • 「関数では、各xにおけるf(x)の変化率(←f(x)の値ではなく、f(x)の変化率)」を算出

微(ほんのちょっと)分(切り取る、分ける)をしたらf(x)はどんな向き、変化、方向性なの?ということです。xの区間[ a, b ](←は傾き)ではなく、x=aの時のf(x)の向き、変化、方向性です。

これまで2次関数や3次関数でしたがどんな関数でも↑の考え方は共通です。この先、微分する関数が多岐になりますが考え方は変わりません。

(ちなみに関数f(x)の定義は[ xが決まるとf(x)が定まる ]です。← こちらも大切です。)

 f(x) を微分して導関数f '(x) を求めて「極大・極小」の値から「方程式の解の個数」を導くことができます。

​f(x)が3次関数で[ y = k ]のk値によって交点の数が異なります。「kの範囲を求めよ」のような問題も散見されます。

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 f(x) を微分して導関数f '(x) を求めて「極大・極小」の値から「方程式=0の解の個数」を導くことができます。

​また、解について「正の解」「負の解」のような条件をつけることもでき、グラフの形で条件を満たすように絞り込みができます。

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 関数f(x) を微分して導関数f '(x) を求めますが、関数を複雑にしたり特殊な関数の微分を整理していきましょう。導関数の定義に基づいて導出することで公式を使いこなせるスキルが身につきやすくなります。

​最初に積の微分です。微分の定義に沿うように式変形がポイントです↓。

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続いて商の微分です。こちらも式変形がポイントです。

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商の微分で分子が1や定数の場合には↓のようになります。

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合成関数の微分は「関数f(x)の一部を置換」することで微分を2段階に分けるイメージです。

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媒介変数を用いた関数も合成関数の微分と同じアプローチです。

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三角関数、指数関数、対数関数も導関数の定義から求めます。

​まずは三角関数[ sinx ]からです、加法定理と極限を活用しています。

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同じように三角関数[ cosx ]からです。こちらも加法定理と極限を活用しています。

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「三角関数の微分」と「商の微分」を併せて[ tanx ]の微分も導出できます。

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[ tanx ]の↓は微分だけでなく、反対の積分でも使います。

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​逆関数の微分も身につけておくと便利なスキルです。↓は2通りのやり方で微分していますが結果は同じです。

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対数関数の微分は「自然対数の底e」を用いて導出できます。対数関数のルールが所々にでてきます。

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指数関数の微分も「自然対数の底e」を用いて導出します。

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対数微分法: 自然対数をとって微分するアプローチを紹介します。途中に「合成関数の微分」も登場します。

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速度・加速度は「媒介変数表示 t 」を用いて、x軸y軸それぞれの方向へ「単位時間あたりの移動距離」のイメージです。

​また[ 速度 と 速さ ] 、[ 加速度 と 加速度の大きさ ]について違いを紹介します。

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円の接線も微分から求めることができます。 基本に倣うと↓のようになります。

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楕円の接線も微分から求めることができます。

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